平成16年8月25日 水曜日 晴れ ロンダ〜セビリア〜バルセロナ
 
〈5日目〉渓谷の町ロンダ

 アルハンブラのあるグラナダ地方を出発したわれわれ一行は、今度は「ロンダ」という町を通って
セビリアに向かうため、またバスに乗り込んで延々と走る。途中カフェでトイレ休憩したときに、
ミチさんが「トイレを借りるのだから、コーヒーくらい注文してあげてね」とまっとうなことを言う
ので、仰せの通りにカフェオレを注文した。小さいカフェだったがスペインらしいイベリコ豚の生
ハムが何本も吊るしてあったので、店のお姉さんと生ハムと一緒に記念撮影をさせてもらった。
店ではスペイン語の「悲しき雨音」が流れていた。

〈直進セビーリャ 左ロンダ〉

〈ロンダへの途中 カフェのお姉さんと〉
 ロンダは古い崖の上に建っている街だった。街の中にはバスは入れないらしく、ずいぶん手前でバスから降り古い建物を見ながら坂道を歩く。スペイン一古い闘牛場はこのロンダにあるのだそうだ。

ヌーボー橋(新橋)を通って街に入ると、高い崖のぎりぎりのところに建物が並んでいる。展望台から見下ろせばはるか下に畑が見える。何もこんなところに住まなくても、というくらい高い崖の上にある街だ。

〈ロンダへは歩いて入る〉

〈子供は怖くて外で遊ばせられない〉
 街の雑貨屋さんで喜多さんはテレホンカードを買い、横浜のこどもに長々と電話をしたり、みやげ物をゆるゆると見ていたりしたら集合時間に遅れてしまった。

坂を下りて集合場所に着いたらみんな揃って待っていた。ミチさんにの「迷子になったかと思った」といわれ申し訳ないと思う。


〈ロンダの雑貨屋さん〉
 この町のみやげ物屋のショーケースに飾ってあった絵皿を買おうか迷っていて、結局買わなかったが欲しいみやげ物はその場所で買わないと他の町では売っていない。特にスペインはもともと違う国の集合体なので、町が違えば売っているみやげ物もまったく違う。買いそびれた黄色い絵皿は他の町ではまったく見なかった。

この街には日本人の画家が住んでいたらしく記念碑が建っていた。味のある素晴らしい街だったが、落ちて亡くなる人はいないのだろうか。

〈町全体が要塞のよう〉
ロンダからセビリアへ

 またバスに乗り込み今度はセビリアを目指す。この頃になるとどの史跡がどの町にあったのか、かなり怪しくなる。

スペインは世界で一番世界遺産がある国で、何でも38か所世界遺産が登録してあるそうだ。スペイン中が見どころという感じで、見て回るほうも体力が必要だ。

〈カテドラル〉
セビリア観光

 セビリアではセビリア万博のときに造ったという広場や大聖堂を見て回ったり、ヒラルダの塔の頂上まで歩いて上がったりしたが、もう行く先々で古い寺院やカテドラル(大聖堂)があり、どれがどこの寺院だったか定かでないくらい頭が混乱してしまっている。

よく覚えているのは、やたら観光客の乗った馬車が多くて馬糞くさかったことだけだ。

 〈ステンドグラスが美しい〉
 今日はセビリアからバルセロナまで飛行機で移動するが、午後はまたカテドラルを見学する。あちこちのカテドラルがそろいもそろってゴテゴテの装飾でケバい色こそないが、日光の陽明門ばかり見ているような、「もうケッコー」と言いたくなるような満腹感だ。日本の寺院の侘びさびなどスペイン人にはわからないだろう。

さすがにステンドグラスの華麗さには圧倒されたし、キリストを取り巻く使徒たちの彫刻も素晴らしかったが、、どこの寺院で何を見たかみんなごっちゃになってしまっている。コロンブスの遺骨を南米から掘り起こして納めたという、4人が担いでいるお棺を見たのはセビリアだったか、バルセロナだったか。

〈みごとなステンドグラス〉
本場のパエーリャを食す

 夕方セビリアの飛行場に行き、国内線でバルセロナに向かう。ここでミチさんとはお別れだ。バルセロナでは他のガイドさんが案内してくれるそうだ。ミチさんにはお世話になった。観光地やバスの中ではしゃべりまくっていたミチさんだったが、バスの中ではみんな眠いので誰も聞いていそうになかった。

バスで移動する途中レストランに寄りスペイン名物「パエーリャ」を食べたのはどこに行く途中だっかた。スペインに来てもう5日も経っている。

〈本場のパエーリャ〉
モンジュイックの丘のふもとのホテル

 バルセロナはスペインでもフランスに近い独特の雰囲気を持った街だ。有名なガウディのサグラダ・ファミリア教会やグエル公園がある。

セビーリャから飛行機で2時間ばかりでバルセロナの空港に着いた。空港には40歳くらいの男性ガイドさんが待っていてくれた。もう夕方なのでその日はホテルに直行する。バルセロナオリンピックが行われたモンジュイックの丘のふもとに建つこぎれいなホテルだった。ちゃんと日本の国旗も掲揚してある。

〈バルセロナ ホテルアポロ〉
 チェックインを済ませて晩ごはんは喜多さんとバルに行くことにした。バルはあちこちにあるのだが
どこがよいのか良くわからない。ガイドさんは日本料理とか中華料理とかの店はあるけどおすすめでは
ないと言っていた。中国人が日本料理まがいの店を出していたりするのだそうだ。そんな日本料理の店
に入った欧米人は、日本料理とはこんなものかと思ってしまうではないか。しばらくぶらぶら歩いてこ
じんまりとしたバルを見つけて入ってみた。このバルはインド人の経営みたいだ。ほとんど客は入って
なかったが、一番奥の席に座りビールと二人前のパエーリャを注文する。

スペイン語で「ビールをお願いします」というのは「セルベッサ ポル ファボール」という。
「セルベッサ」は缶ビールのことで、生ビールは「カーニャ」だ。「ポル ファボール」は「お願いしま
す」という意味だから、何でも注文した後に「ポル ファボール」とつければ間違いない。でもなかなか
「ポル ファボール」という言葉が言えなくて、つい「パエーリャ」とか「カーニャ」で済ませてしまう。
日本でも外国人が「ビールをお願いします」とか言っているのを見ると「なかなかやるな」と思ってし
まうのだが、恥ずかしがらずにせっかく覚えてきた「ポル ファボール」をどんどん使えばよかった。
「ほかに注文はないか」とウェイターが言うので「ノー サンキュー」といったが、パエーリャがなかな
か出てこないのでイカのリングフライを注文したが、これはおいしかった。やがて出てきたパエーリャ
で満腹になり、またぶらぶらと歩いてホテルに帰る。途中のバルでは一緒のツアーの人たちが歩道の
テーブルで食事をしている。

これで5日目のスパインも終了。明日はサグラダ・ファミリアとグエル公園だ。
4日目へ戻る 6日目へ
   
東海道へ戻る
   
番外編に戻る  
   
ポータルサイトに戻る  
inserted by FC2 system