平成31年3月26日(火)~28日(木) 晴れ 横浜~十津川村~南紀~岩国
 
   
十津川村

 十津川村は奈良県の最南端に位置し、北方領土を除けば村としては日本最大の面積で、琵琶湖や東京23区よりも広いのだそうだ。日本一長い距離の路線バスが走っていたり、生活用の日本一長い吊り橋があったりと、面白そうなので一度訪れてみたかったところだ。

今月で県警を退官する弟が車で遊びに来ているので、帰る車に同乗してついでに行ったことのない十津川村から南紀に抜けてみようということになった。横浜の自宅を明け方に出て、谷瀬の吊り橋に着いたのはお昼過ぎだった。

〈谷瀬の吊り橋 長さ297.7m 高さ54m〉
   
 
〈危険ですから一度に20人以上はわたれません〉
   
 
〈この吊り橋は観光用ではなく、川を挟んだ集落の生活用吊り橋だ〉
   
 
〈せっかく来たので往復してみるが、風が強くて歩くのが怖い〉
   

〈和歌山県に入り熊野本宮大社に参詣する〉
   
熊野三山と本宮大社

 熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社の3社を「熊野三山」と呼びます。熊野三山は和歌山県の南東部にそれぞれ20~40kmの距離を隔てて位置しており、「熊野古道(熊野参詣道)中辺路」によってお互いに結ばれています。(田辺市熊野ツーリストビューローHP)

とのことで、速玉大社と那智大社は参詣したことがあるが、本宮大社は内陸部にあるので訪れる機会がなかった。本来は、熊野古道を歩いて参詣するとよいのであろうが、なかなか難しい。『かつては、熊野川、音無川、岩田川の合流点にある「大斎原(おおゆのはら)」と呼ばれる中州にあったのですが、明治22年の洪水で多くが流出し、流出を免れた社を移築したものです。』(同HP)とのことで、現在の数倍の規模があったそうだ。

〈本宮は撮影禁止とあったので外から〉
   

〈撮影できなかったのでHPより拝借〉 
   
 広い広い十津川村を抜けて和歌山県に入り、熊野本宮大社に参詣したらもう夕方だ。
さて、今日はどこに泊まろうかと弟と相談していたら、二人の若者が声をかけてきた。
「あの~、どちらに行かれるんですか」
「あ~、まだ決めてないんだよ。どうしたの?」
「バスに乗り遅れてしまって、白浜で友達と待ち合わせているんですが、最後のバス
が出ちゃったんです」
「・・・どうする?」
「じゃあ、白浜まで行ってやるか」
ということで 、必然的に向かう先は南紀白浜に決まってしまった。

道々話を聞くと、宝塚の高校の卒業旅行で、友達5人で白浜に昨日と今日2泊しているのだ
そうだ。2人は殊勝にも本宮大社にバスで参詣に来たが、ほかの3人は別行動らしい。
ちゃんと待ち合わせ場所まで送り届けてあげて、我々は途中ネットで予約したホテルに向かう。
   
 
〈翌日は昨日高校生が良かったと言っていた千畳敷に来てみた〉
   

〈瀬戸内海の高校生には珍しいだろうが、このような地形は三浦半島にも多い〉
   

〈吉野熊野国立公園 名勝 三段壁 交番の出張所があり「悩み事は相談してください」とあったので断崖から身を投げる人がいるのだろう〉
   
 
〈円月島 日本の夕陽100選 近くの南方熊楠記念館から本日の宿 東急ハーヴェスト南紀田辺が見える〉
   
古座川の一枚岩 「天まで覆う岩の大屏風」

 古座川の一枚岩は、冷え固まったマグマの塊が、大地の隆起によって地表に現れ、川に侵食されて、一面の岩壁となりました。マグマが冷え固まった岩は、このあたりから20km以上も東に向かって続いています。このマグマからできた岩の連なりを、古座川弧状岩脈といいます。古座川弧状岩脈は大昔に形成された熊野カルデラの一部と考えられています。(説明板)

一枚岩といえば、オーストラリアのエアーズロックが有名だが、日本にもこんな立派な一枚岩があったとは。先日NHKの番組で見てぜひ見たかった風景だったのだ。

〈紀伊半島では約1400万年前に巨大なカルデラ噴火があった〉
   

〈古座川の一枚岩〉
   
 
〈国指定天然記念物「古座川の一枚岩」(昭和16年指定)は高さ150m幅500mの大岩壁〉
   
熊野三山〈権現山)

 市内西方にそびえる権現山(神倉山)は、神が降臨する神体山として崇められてきました。
主峰は千穂ヶ峰(253m)で「鎮護ヶ峰」とも記されたように神仏が鎮まり守護してくれる山です。古くから熊野速玉大社の神降臨の神域として重要でした。権現山の南、高さ100m近い断崖絶壁には神倉神社があり「天磐盾
(あまのいわたて)」とみなされてきました。また、ここには神が鎮座する磐座(いわくら)があり「ゴトビキ岩」と呼ばれています。古来から霊域として、また修験者の行場として栄えてきたことがわかります。
   
 
〈神倉山のゴトビキ岩に参詣する〉
   
   

〈熊野速玉大社のご神体 ゴトビキ岩)
   
   

〈自然崇拝の原始信仰は人間の作った神仏像より説得力がある〉
   

〈熊野速玉大社のHPには「石段が急こう配なのでご年配の方は下の鳥居でご参拝ください」とある〉
   

〈このゴトビキ岩もまた熊野カルデラの一部〉
   

〈熊野速玉大社は、社殿のない原始信仰時代の神倉山から、初めて社殿を麓に建てたことから「新宮社」よ呼ばれている〉
   
2度目の熊野那智大社

 熊野那智大社には平成23年に、熊野速玉大社には平成28年に参拝していた。熊野三山のうち熊野本宮大社だけまだ参拝できないでいたが、今回弟と南紀に2泊したおかげで、めでたくすべての大社に参拝することができた。

特に信心深いわけでもないが、仏教やキリスト教のように、人間が作った神仏よりは自然を畏怖する謙虚さが性に合っている気がする。遠藤周作の「沈黙」のように、いくら神に祈っても人間の作った神は常に「沈黙」しているのだ。西洋人は自然を克服しようとするが、自然の前に人間なんぞ勝てるはずがない。もっと謙虚に生きねばと思う。

〈7~8年前には台風被害で裏山が土砂崩れに〉
   

〈熊野那智大社はあちこち修復中だった〉
   

〈桜と三重塔と那智の滝 美しい〉
   

〈今でこそ車ですぐ近くまで来られるが、かつては熊野古道を歩いて参拝していた奥深い山々〉
   

〈熊野那智大社のご神体は那智の滝〉
   
 紀伊田辺に2泊して、白浜にある「南方熊楠記念館」にも立ち寄ることができた。南方熊楠は、博物学・民俗学における知の巨人といわれるが、生来怠け者の自分にとっては信じがたい天才だ。

今日は、東急ハーヴェスト南紀田辺に宿泊して、明日は山口に向かう。翌日、和歌山といえば「和歌山ラーメン」、「和歌山ラーメン」といえば「出井商店」ということで、カーナビに住所を入れて到着したら定休日だった。仕方ないので、近くのラーメン屋さんで「和歌山ラーメン」を食べた。これはこれでおいしい。

〈紀伊半島に夕陽が沈む〉
   
 岩国にいる姉の家でおろしてもらい、今日から3泊させてもらう。翌日は義兄が周防大島と上関に連れて行ってくれた。久しぶりの瀬戸内海は相変わらず美しいが、周防大島は昨年来立て続けのニュースで全国的に有名になった。

①スーパーボランティアといわれた尾畑春夫さんが行方不明の男児を見つけた島。②大阪府警富田林署から逃走した樋田淳也容疑者が、自転車で立ち寄っていた島。③貨物船に当て逃げされ、大島大橋の送水管・光ケーブルが破断して島内が断水し、インターネット回線が不通となった島。3月30日は、錦川清流線で錦町に行き、久しぶりの同窓会だ。

〈ひょっこりひょうたん島〉
   
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