〈5日目〉 平成27年11月7日 土曜日 曇り 栃木宿〜合戦場宿〜金崎宿

〈翌日は栃木宿(栃木駅)からスタート〉
 昨日は、佐野駅が最寄りの天明宿からおよそ20kmを歩いてきたが、ほとんど史蹟らしいところは見当たらなかった。

一部には国道から外れた旧道も残ってはいるのだが、めぼしい旧家や神社仏閣もほとんどないと言ってもよい。ほとんどの道は広くてまっすぐな国道や県道に作り替えられていて、地元の人にとってはその方が当然ありがたいことだろうから、めったに来ない旅人が不満を言っても始まらない。

〈巴波川〉
 ただ、今回の歩き旅でこの「栃木宿」だけは、江戸時代を感じる街並みが残されているようで楽しみだ。
歩いていると、地元のおばあさんから声をかけられた。「どちらから来られましたか」と聞かれたので、
「横浜からきて例幣使街道を歩いてます」と答えると、「あ〜、よくテレビでやってるね」と言われた。
 
   

〈栃木宿には風情ある町並みが残る ファミリーマートも京都のように地味な配色〉

〈名物 じまん焼きがあったのでさっそく買って食べてみる いろいろな旅番組で取り上げられているようだ〉

〈栃木菊花大会があったのでのぞいてみる〉

〈丹精込めて育てているのだろう〉
栃木宿

 栃木の商都としてのきっかけは例幣使街道の宿場町となったことからはじまったのだそうで、さらなる発展の原動力となったのは、巴波川の舟運での江戸との交易であるといわれているそうだ。

江戸からは日光御用の荷や塩が、栃木からは木材や農産物などが運ばれ 江戸の終わり頃には栃木の商人達は隆盛を極め、その豪商達が白壁土蔵を巴波川の両岸に建てていった。 栃木市の蔵の街並みは、かつて栄華を極めた商都としての歴史が築いてきたものだという。 明治4年
(1871)の廃藩置県により、同年11月下野国は栃木県と宇都宮県にわかれたが、 明治6年(1873)に現在の栃木県に統一されたのだそうだ。

〈栃木宿の街並み〉

〈栃木のお伊勢さま 神明宮参道入り口〉

〈蔵の美術館 あだち好古館 しばしトイレ休憩〉

〈山本有三ふるさと記念館 「路傍の石」で有名な山本有三の生誕地なのだそうだ〉

〈下野新聞社〉

〈このあたりから嘉右衛門町重要伝統的建造物群保存地区〉

〈洋風建築の館野家だがよく見ると内側は完全に和風の造り〉

〈岡田記念館 栃木宿きっての旧家で本陣を務めたとある 現当主で26代目だそうだ〉

〈今回の街道歩き旅で唯一の風情ある道〉
油屋伝兵衛(あぶでん)

 旧街道沿いで味わう絶品の味噌田楽江戸の天明年間(1781〜89)に初代・油屋伝兵衛が油店として創業。その後幕末に2代目が味噌の醸造を始めました。国産大豆を原料に、蔵で明治時代から使っている木製の樽を使い、天然熟成させた無添加味噌が人気のお店です。併設された茶店では豆腐・里芋・こんにゃくの3種類の田楽がいただけます。(油屋伝兵衛HPより)

とのことで、魅力的ではあったが、先ほどじまん焼きを食べたばかりなので横目で見て通り過ぎる。

〈油屋伝兵衛〉

〈合戦場宿に入った ただしこのあたりは単調な県道3号線をひたすら歩く〉

〈小平波平生誕地の碑が 日立製作所の創業者〉

〈升塚 およそ500年前皆川と宇都宮との戦いで310人もの戦死者を出した 里人はこの場所に集め葬ったという〉

〈お堂と十九夜碑のそばにベンチがあったのでしばし休憩〉
合戦場宿

 何の合戦場であったかといえば、戦国時代の大永3年(1523)、宇都宮忠綱と皆川宗成の軍が戦った川原田合戦なのだそうだ。宇都宮忠綱は鹿沼地方を制圧した勢いに乗じて皆川(栃木宿の北西6kmの地)めざして侵攻してきた。河原田(合戦場宿の西方1km)で迎えうった皆川軍は激戦のなかで当主宗成と弟の成明が討死、皆川方は総崩れの状態にあったとき小山・結城・壬生氏の連合軍が皆川方に駆けつけて宇都宮軍を敗走させた。

この時の戦死者を里人がまとめて葬ったのが、先ほどの「升塚」ということになる。

〈民家の軒先にお札をもった手が なんだこりゃ〉

〈猫が3匹仲良く日向ぼっこ〉

〈何の文字もないが道祖神のようなものだろうか〉
 本日は、予定ではもう一つ先の楡木宿まで歩く予定だったのだが、朝少しのんびりし過ぎて宿泊した小山駅8:27発の両毛線に乗り遅れてしまった。この辺りはローカル線なので、1本乗り遅れると1時間近く待つことになる。バス便も探してみたが、バスはさらに少なく、しかも栃木までの便はない。

おかげで1時間ほどスタートが遅くなったので、予定を繰り上げて金崎宿で今回の街道歩き旅を会えることにする。今回は、車で来て佐野駅近くの駐車場に止めている。栃木駅までは東武日光線、乗り換えて佐野駅までJR両毛線で帰り、あとは東北自動車道で横浜までひたすら運転して帰る。

〈本日は東武金崎駅で終了〉
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