〈10日目〉 平成23年6月26日 日曜日 曇り 笹子駅〜笹子峠 阿弥陀宿〜黒野田宿〜駒飼宿
久しぶりの甲州道中
 
 6月8日から9日間、結婚30周年記念
(真珠婚式というらしい)にかこつけて、スイス旅行に出かけたものだから、甲州道中の旧街道歩きがおろそかになっていた。

スイスでチーズとポテトばかり食べていたら体重もかなりなものになってしまったから、ここはひとつまた日本の街道を歩かなければと、急きょ出かけることにした。

〈笹子駅から歩き始める〉
 前回、笹子峠の手前の笹子駅で終了したから、今回は笹子峠越えだ。例によって、磯子に車を置いて
八王子・高尾と乗り継いで電車で発車を待っていたら、肩を叩かれた。見上げると会社の女性が立って
にこやかに笑っているではないか。どこで見られているかわからないね。悪いことはできないね。別に
悪いことはしてないけどね。
   

〈笹子川〉

〈甲州古道 黒野田宿〉
 あまり近い関係で仕事をしたことがないが、台湾から一人で来ている女性だ。えらいもんだね。

てっきり高尾山にでも登るのかと思ったら、ずっと中央線に乗ったままだ。「笹子駅」で降りる我々より先の甲府方面へ行くらしい。


〈これも地蔵さんの一種?〉
 下りる間際にどこまで行くのと聞いたら、「え〜と・・・」と言いよどんでいる間に電車のドアが閉まる
から、「じゃあね」と下りてしまった。結局、どこまで行くのか聞きそびれたが、翌日送別会で一緒になっ
たので、よくよく聞いたら「甲斐高尾山」にハイキングに行ったのだそうだ。我々が下りた「笹子」から
2つ先の「勝沼ぶどう郷」をスタートして、また同じ駅に戻ってきたらしい。
   

〈庭先の花がきれいだったので失礼して〉

〈明治天皇行在所跡〉

〈笹子川にかかる黒野田橋を渡る 右:一里塚跡〉

〈日本橋から107kmポスト〉

〈どの店も営業していない〉

〈田んぼにはオタマジャクシがいっぱい〉

〈今日は雲が低い まずは矢立の杉を目指す〉
 とにかく、いろいろな店がすべて閉店している。食堂も、よろずやも、コンビニも開いている店は皆無と言ってよい。

国道20号線沿いだから、そんなに車が通らないわけでもないのだが、開けてても商売にならないのだろう。

〈かつてはコンビニだったらしい建物〉

〈旧道は国道20号線から脇道に入る〉

〈このあたりはホタルが見られるらしい〉

〈謎のバス〉

〈送電線も雲にかすむ〉

〈誰もいない旧甲州道中〉
笹子峠自然遊歩道

 旧甲州道中は、笹子自然遊歩道として一応歩けるように整備されている。しかし、この日歩いている人は外国人と日本人のカップル一組だけだった。

高尾山は、ミシュランに載って以来「山ガール」でごった返しているらしいが、地味な峠にはだれも近寄らない。

〈この案内板から旧道へ入る〉

〈中山道の和田峠を思い出す〉

〈人が通らないから笹も雑草も伸び放題〉
明治天皇御野立所跡

 今から150年近く前、明治天皇はあちこち行幸されたわけだが、ここでも野立をされ、一服されたそうだ。

今はこんなに雑草の生い茂った山道なのだが、当時はそれなりに整備されていたに違いない。

〈明治天皇御野立所跡碑〉

〈矢立の杉 樹齢推定1000歳 中は空洞になっている〉
矢立の杉

 戦国のころ、出陣する兵士がこの杉に矢を射立て、戦勝を祈念したと伝えられる「矢立の杉」。

この大杉を見て感動した「杉良太郎」がこの場所に「身代わり両面地蔵菩薩」を寄贈し、自分で作詞・作曲して「矢立の杉」という歌まで出してしまったのだという。20回くるくる回すと、発電されて歌が聞こえてくる。どうだかね〜。
数年前までは、空洞になった杉の中に入れたようだが、いまは保護のために立ち入り禁止になっている。

〈完全に空洞なので入って見上げると空が丸く見えるらしい〉

〈地蔵さんの顔は杉良太郎そのもの〉

〈両面観音・・・なんだかね〜 背中側は奥さんの顔らしい〉

〈丸木橋を渡る〉

〈きのこがたくさんあるがさすがに採らない ヨモギは摘んで帰った〉

〈本当にこんな道を大名行列したのかね〉

〈車道に合流するが山道の方が雰囲気がある〉

〈登録有形文化財 笹子隧道 昭和13年に完成 昭和33年に新笹子トンネルができるまでは東京までの幹線道路だったそうだ〉

〈旧甲州道中はトンネルに入らずに右の細い道を山に入る〉

〈笹子峠は1093m 雲の中に入った 涼しい〉

〈笹子峠に到着 通る人は少ないようだ〉

〈一旦自動車道に出るが・・・〉

〈すぐにガードレールの切れ目から旧道に入る〉

〈さらに旧道を下って行くと甘酒茶屋跡の表示が〉

〈また自動車道に出て〉

〈さらに旧道を下っていく〉

〈右は谷底 ロープが張ってある〉

〈人は石を積みたがるものだ〉

〈川が流れている どこにも橋がないから飛び石伝いに渡る〉

〈さらに丸木橋を渡る〉

〈馬頭観音菩薩〉

〈ここで峠道旧道は終了 あとは自動車道を甲斐大和駅まで歩く〉

〈甲州道中 桃の木茶屋跡〉

〈峠越えるととたんに晴れて暑い 峠の向こうは雲に包まれたままだ〉

〈後ろを振り返る あの峠を越えて来た 右:木にもひねくれ者がいるという写真〉

〈人家が見えてきた ここは旧駒飼宿〉

〈空き地になっているがここは駒飼宿脇本陣跡〉

〈ここは駒飼宿本陣跡 明治天皇御小休所跡碑もある〉

〈甲州道中 駒飼宿案内〉

〈さらに下ってゆくと・・・〉

〈大黒屋というカフェで客引きされるが通り過ぎる〉

〈りっぱな石垣 お城でもあったのか〉

〈目の前を中央高速が横切る〉
 今日は突然思い立ってやってきたが、なかなか趣のある良い「街道歩き」となった。やはり国道に沿って歩くのはつまらないから、できるだけ江戸時代を偲べるような雰囲気を味わって歩きたい。

しかし、笹子峠を歩いて越える人などほとんどいないのだろう。道はとても整備されているとは言い難い。地元の人も大変だろうが、わざわざ歩きに来る人もいるのだから、たまには下草を刈ったり、倒木を片づけたりしてもらえると、たぶんもっとハイカーたちがやってくるのではないでしょうか。

〈甲斐大和駅 売店も何もない〉
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